「任意整理」３

俺にとって有難かったのは、月々の返済額が半分以下に減ったことだった。それまで俺はカードローンや金融会社に約２０万強支払っていた。手取り４０万に満たない俺にはとうてい支払うことが出来ない金額だった。金は次男の学費用に借りた口座から引き落とされていた。だが、それも底を尽いていた。俺は借金取りの督促の電話の妄想に苦しんだ。

弁護士事務所の対応のあらましは、次のようなものだった。

☆弁護士が介入したことにより、個々の債権者からの取立てがストップする

☆借金の総額が確定され、以後利息はつかない

☆原則として４年間の均等払いとなる

☆「弁護士費用」は最初の半年間の積み立てから捻出される

もちろんデメリットもある。

「任意整理」を始めると官報に載るため、いわゆる「ブラックリスト」となることだ。新規のカードや借り入れはまず出来ない。だが、いつの間にかに膨れ上がる「借金」の怖さが身に沁みていた俺には、どうでもいいことだった。それよりも「借金取り」に追われなくとも済む気楽さが心地良かった。

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